あなたはどっちを選びますか?堅めのストリングを低いテンションで張る?柔らかめのストリングを高いテンションで張る?

〈目次〉
●打球感が同じならどっちだろう?柔らかいストリングに高いテンションをかけて張るのか、堅いストリングに低いテンションをかけて張るのか?
● ①の調整方法、堅めのストリングを選んで調整する人はスピードと重さを求めている
● ②の調整方法、柔らかめのストリングを選んで調整する人は打球感を求めている
● ストリングの個性のほうが当然強い
●ならばどのようにストリングは選ぶべきか!(結論!)

打球感が同じならどっちだろう?柔らかいストリングに高いテンションをかけて張るのか、堅いストリングに低いテンションをかけて張るのか?

ストリングをオススメしていて良く聞かれるのがコレですね。ガットを気にする方なら一度は考えるかもしれません。
打球感がほぼ変わらないとするならば
①硬めの打球感のストリングに低いテンションをかけて張る
     Or
②柔らかめの打球感のストリングに高いテンションをかけて張る
のはどっちが良いのか?


これはもう結論は単純だと思います。
結論は「シンプルにストリングが違うので同じ(似たような)打球感になることはまず無い」です。
堅い打球感のストリングとやわらかい打球感のストリングは別物なのでテンションを変えることで似たような打球感になる、揃うということはありまえません。

なので基本的には気に入ったストリングについて、微妙な打球感についてテンションで変えて調整していく、というアプローチになります。
これが絶対条件になると思います。

ただ、堅めの打球感のストリングとやわらかめの打球感のストリングを選択するのはそれぞれ求めているものに違いがある、とは思います。

①の調整方法、堅めのストリングを選んで調整する人はスピードと重さを求めている

堅めのストリングの特徴、メリットはボールに対してインパクトしたエネルギーを伝えやすい、つまりスピードが乗せやすい、重いボールが打ちやすいと思います。
スイング強度が高い、スイングスピードの速い人が選択する傾向が強く、スピンのかけ方もボールをつぶして捕らえて打ち出す、ということができる人が使う傾向が強いです。
半面打球感が堅めで体に負担がかかり、体を痛めることもあります。
思いっきり振ってしまうと反発が強いストリングだと飛びすぎてしまうため、飛ばないように、インパクトのパワーのできるだけストリングがたゆむよりもボールをつぶすエネルギーになるように堅めのストリング、という選択肢が多いでしょう。
なので堅めのストリングを低いテンションで張るとこれらの持ち味が少し下がり、ストリングが動いてしまうためスピードもパワーもちょっと下がります。
正直その割にテンション落としたくらいでは打球感がやわらかく、体への負担が大きく小さくなるわけでもない、というのが正直なところです。

②の調整方法、柔らかめのストリングを選んで調整する人は打球感を求めている

最近はやわらかめの打球感を求めるプレーヤーも多いと思います。
僕も一般プレーヤーレベルの人には打球感のやわらかさ、打球感の体への負担が小さいストリングをお勧めします。
なにせ一般プレーヤーはボールをしばく力に限界があるし、ジュニアからやっているプレーヤであればボールをつぶすこともできるかもしれませんが、なかなかその領域のスイングができるプレーヤーも多くはありません。
それならケガをしない、試合時間を長くプレーできるように(疲れにくい)ストリングのほうが一般プレーヤーにはおすすめできるからです。
おおむねやわらかい打球感のストリングのほうが、伸縮もあるからか、ストリングの動き、スナップバックが大きくなりやすいのでスピンもかけやすいと思います(スイング強度に依存はしますが)。
打球感がやわらかめストリングをどれだけ高めのテンションで張ってもおおよそこの「伸縮性」もあってそこまで堅い打球感になることはなく、スピード、パワーが乗せやすくはなりますがそれでも大きく変化することはなく、柔らかい打球感の特性のほうが強くなる、ということは間違いありません。

ストリングの個性のほうが当然強い

①の堅いストリングを低いテンションで張ってもそうそうやわらかいストリングほど打球感を緩和する特性に届くことは無いと思います。あまりにもテンションを落としすぎるとテンション維持が悪いストリングはストリングの戻りが悪くなってパフォーマンスを発揮できなくなってしまいます。
逆に②のやわらかいストリングをどんなに高いテンションで張っても堅いストリングほどスピードを乗せやすいと思えません。むしろテンションかけすぎで伸びっぱなしになってしまうのでそのパフォーマンスを発揮できる期間は短くなってしまうでしょう。
テンションのかけ方で微妙な調整は可能だと思います。
しかしテンションよりも間違いなくストリングの個性のほうが強いのでそちらからまずは選択していくことのほうが「ベストマッチ」に近づくことができます。

ならばどのようにストリングは選ぶべきか!(結論!)

ストリングの個性が一番強く出るから多種多様なニーズにこたえるために多種多様なストリングが存在し、売り続けられているのでしょう。
「これがだれにとっても一番!」というストリングはなかなか難しいと思います。
ラケットとの相性もありますし、様々な打球感、飛び、スピン性能、テンション維持、消耗度などなどさまざまなバランスや自分が求めるものが人によって違うということがこの「多種多様なストリング」の存在を支えています。
一つのメーカーでもいろいろな種類、特徴を持ったストリングがあるし、メーカーが違えばまたそのメーカーの個性、特徴がある。
だから本当に「これは自分に合っている!」というストリングはどこかに存在すると思いますよ!
それをどう探すかは、やっぱり使ったことがある人にアドバイスを受けるのが一番近道なような気がします。
人が違えば感じ方も違うかもしれませんが、それでも一度使ったことがある、というその使用感覚はその人が感じた間違いない感想なのです。
ある程度めぼしをつけて、あとは自分で試してみる。
その材料になればうれしい、その助けができればうれしいと思いながら、今日も僕はストリング、ガット、ラケットのインプレをしていきます!