新型コロナウィルスとプロテニスプレーヤーの被害関係

なんとも日本のテニスファンには残念なことになりましたが、プロテニスプレーヤー西岡良仁選手が新型コロナウィルスの影響で国外に出られなくなるであろうことを危惧してデビスカップ欠場を発表。2日前のドタバタ欠場だけにかなり話題になっています。
出場選手も発表されて錦織圭選手も控えメンバーになり、シングルは内山選手、添田選手が出場、ダブルスはマクラクラン選手と内山選手で出場と発表されました。

ちなみに西岡プロの離脱に伴う補充選手は綿貫陽介プロが招集されました。
まぁ、いきなりここからつっこみ入れると補充選手も「招集可能な範囲内(国内)にいて今後の選手活動において国外の大会に出場する逼迫した必要性が無くシングルスの強い選手」ってとこですかな(・∀・)
綿貫選手は実力申し分無いですし若いプロテニスプレーヤーなのでどこかで出場できれば良いなぁ~と思いますね。これからの選手ですんで。

さて、錦織プロの復帰も遠のくのも心配なところですが、西岡プロのこの決定プロテニスプレーヤーとして生活するみなさんから見ても、それを応援する立場からしても、「仕方ないよね・・・」と思うしかない、と思います。
実際今後のことを考えたら、大会に出続けることを考えたら、プロとして活躍し続けることを、今年一年を棒に振らないためにも、「最善の手」と言えると思います。
もちろん、本人はきっと一番誰よりも苦しんで出した結論でしょう。だからこそ、僕も応援し続けたいと思っています。

ってかね、錦織君、日本にいて大丈夫なん???(・∀・;;)カエレナクナッチャウゼー

日本のプロテニスプレーヤーにとって申告な事態

2020年3月初めの時点で日本国内の国際大会(ITFの大会)も軒並み中止、延期になっています。
男子プロツアーでも亜細亜大学、早稲田大学、筑波大学、での大会、かしわ国際の延期または中止が決定、横浜慶應、甲府国際が延期を決定。
女子プロツアーでも富士薬品の大阪、甲府、甲府国際、かしわ国際といった大会が延期または中止となっています。
この春の時期は国内で国際大会が開かれるシーズンの一つで、プロテニスプレーヤーは各地を回って国内リレーして国際大会に参加していくことが多かったのです。
これはランキング的にあまり高くない、男子で言えばATP、女子で言えばWTAの大会ではまだコンスタントには勝てないけどランキングを上げていきたい国内のプロテニスプレーヤーたちにはとても貴重な機会で、国内なので割と安価に、かつ安心して回ることができる精神的にも負担の少ない、勝つ国際大会なのでプロとして必須のポイントを得ることができる(勝てば)非常に重要な時期でした。もちろん賞金もあります。
しかし!それが何一つ無くなってしまう!
これはプロテニスプレーヤーとして大きな打撃です。
日本のプロの多くは国外での国際大会に出場してコンスタントに勝ち、賞金を得て帰ってくると言った実力または経済力のある選手はそれほど多くはありません。
国内の大会で賞金、経験、ポイントを得て国外のさらに高いステージ、ATPツアーやWTAインターナショナル、WTAプレミアを目指すのが普通でしょうが、なかなかATPツアーやWTAの大会で勝利やこのツアーを回り勝利を収めて、経済的にも安定させる・・・というところまでできる選手はそうそういません。少なくとも世界ランクで150位には入っていないと難しいのではないでしょうか・・・と、なると世界でも男子150人、女子150人しかいないことになりますね。

こういった事情から国内でのITFポイントを得られる国際大会がどれほど貴重か・・・よくわかりますね。ココで好成績を残せないとなかなか国外の大会へは行きにくいものです。
あと、ITFの賞金額が同じ大会でもアジア方面の大会はレベルがそんなに高く無い、という事もあります。日本の国際大会も日本人がほとんどだし(もちろん外国からの選手もいますよ!)。レベルが安定していて読みやすい、と言うのもあるようです(近年日本開催の大会は世界的にも人気が高まっているようです!)

国外に出られなくなったらトップ100のプロは試合が無い!?

このあたりが西岡良仁プロの事情になってきますね。
トップ100の選手がATP下部ツアーの大会に出ることはできますし、優勝すればそれなりにポイントにはなりますがそれでは「トップ100」というランキングを維持できません。細かい説明をするとややこしいので割愛しますが、簡単に言うと下部ツアーで勝利して得られるポイントはATPツアーやWTAツアーでの大会で勝利して得られるポイントよりも小さいのでトップ100を維持するには足りない、と思っていただければ良いかと思います。
ATPツアーに限って言えば、国内での大会はATP500の楽天ジャパンオープンのみ。
つまり国内の大会だけではトップ100を維持することは絶対に無理です。
なのでトップ100以上の選手は基本的にレベルと獲得ポイントと賞金の高いATPツアー、WTAツアーを回っていくために世界中、様々な国を回ることになります。
つまり、国境を越えられないと話にならない。

ところがどっこい、今回のコロナウィルス騒ぎです。
日本国内にいると国内でのことに目が向きがちですが(トイレットペーパーとかちょっと情けない国内事情が露呈していますが(T_T))
国際的には(特にまだ感染が拡大していない国では)感染者はもちろん感染リスクを抱えている人は受け入れたくない。特に旅行者なんてもっての他ですよね。
プロテニスプレーヤーはプロですから生活がかかっている、ビジネスとしてやっているわけですが、そういった国境を越えた移動を「控えて欲しい」という感情が出てくるのは当然です。誰もがプロテニスプレーヤーの事情を理解している訳では無いでしょうし、それは他の競技やビジネスでもそうでしょう。Youtuberとの面会を直前に拒否したというダルビッシュ投手の話は記憶に新しいところですが、こういったリスクを裂ける行為もまたプロとしては当然でしょう。
で、今回の西岡プロの決断につながるわけです。
デビスカップは言わずと知れた国別対抗戦。名誉、期待といった日本人すべてのファンに応える絶好の機会であり、決して軽視して良い大会ではありません。そしてもうあと2日後と日程も迫っています。
でも日本国内での滞在期間をできるだけ短くしないと、「いつ」を区切りに日本人の渡航禁止や來国禁止や受け入れ拒否が発動するかわからない。当然それは国によって対応も変わってくる。
となれば、今季のランキング維持、ランキング上昇を目指す「プロ」として、少しでもリスクは抑えなければならない。
まさにプロテニスプレーヤーとしての決断を西岡プロは迫られたのですね。
その「プロ」としての決断を、否定することはできません。

西岡プロに限らない!?プロテニスプレーヤーは国内に留まれない!

さて、この件、当然西岡プロに限りません。男子で言えばチャレンジャー以上の国際大会は日本国内では4つしかないし、そのすべてに優勝できる訳ではないし。
その事情は女子もほぼ同じです。
元々国内だけを中心に回っているプロプレーヤーはともかく、トップ100~300くらいのランキングでグランドスラムを本気で目指しているプレーヤーは国内にいると選択肢が狭まる、むしろ不可能に近い状態です。
と、なれば早い段階でリスクを裂けるために国外へ出ておく必要があるわけです。
ただし、国外に出ても国外を転々とし、練習環境を維持できるようにしなければなりません。
その経済的負担は相当大きなものでしょう・・・
さらに、経済的負担だけでなく、アジア人への新型コロナウィルスによる「風評被害」もあり、これはもう「迫害」に近い事件まで起きています。
そういった精神的なことも負担として乗りかかるのです。

スポンサーの動きに期待したい!

僕としてはスポンサーの動きに期待したい!と思っています。すべての選手を救うことはできなくとも、スポンサーを持っている企業の多く、特にテニス関係の企業であれば国外に拠点を持ち、そこにある程度の練習環境をもっている企業も少なく無いのでは無いでしょうか?
自分がサポートしている選手を中心に、そうでは無い選手もなんとか、そういったところに滞在させてあげる、また、そのための費用の特別サポートを行うなど・・・
今日本のプロテニス業界は大きな災害に遭っている状況であると言えます。
大きな爪痕になる前に、ココで日本のテニスへの盛り上がりを小さくしないためにも、積極的な支援が必要ではないでしょうか???
企業のみなさまお願いします!!!
もちろん我々一般人も心から応援しております!
さてさて、いきなり荒波に飲まれているプロテニスプレーヤーの2020年。
何よりもまず、新型コロナウィルスの騒ぎが早く収束することを祈るばかりです・・・